平成28年第2回臨時会 議案「下今泉保育園整備事業」報告
設計施工一括公募型プロポーザル方式! またもや随意契約!
競争のない工事契約では市民の税金を適正に運用できない
1.整備事業の概要
・市立下今泉保育園(海老名市下今泉5-8-23)が老朽化したことから、建て替えとともに定員増を図る計画が出た。
右写真は、現在の下今泉保育園
(405u 鉄筋コンクリート平屋建て)
・市の説明によると、民間のノーハウを活用し、工期短縮及び工事費縮減の観点から、公募型プロポーザル(設計・施工一括発注方式)としたとのことである。
・2社が応募し、最終的に、匠建設・相和技術研究所異業種特定建設共同企業体が第一順位者となった。
議案参考資料(pdfファイル24ページ)
2.工事の概要
・延床面積 605.415u(上限)
・構造・規模 木造二階建て
・上限額 2億8千万円
外溝工事・解体工事費他9千万円
新築工事費1億9千万円
・スケジュール
①基本・実施設計 平成28年11月〜平成29年3月
②工事契約期間 平成29年3月〜平成30年1月
③本体建設工事期間 平成29年4月〜平成29年8月
④供用開始 平成29年10月〜
・現保育園の解体工事は平成29年10月に着工
・外構工事現場作業は平成29年12月に完了
3.議案の問題点
「海老名市子ども子育て支援事業計画(平成27年3月策定)」にない事業を何故急に事業化したのか。
(1)なぜ一般競争入札方式を選ばなかったのか?
横浜市など他の自治体に確認したところ、この種の工事発注では全て一般競争入札であり随意契約はあり得ないとのことである。
解体費用及び新築工事費合わせて、2億8千万円。新築工事費1億9千万円、坪単価百万円強である。ほとんどの市民が価格が高いと感じるはずである。
(2)なぜ木造構造なのか
首都直下地震などM7以上の巨大地震がいつ起きてもおかしくないといわれている。保育園は、自力で避難できないゼロ歳の乳児も預かる場所である。子供の安全を最優先に考えるべきではないか。現在の鉄筋コンクリート造りから木造に変える理由がない。
(外観や内装を和風にする例は多い。それこそ建築技術を生かすところではないか。)
(3)公募型プロポーザル方式の応募業者選考が適切であったのか
技術力(設計者)を評価するプロポーザル方式では、評価する側に高度な技術知識が必要である。しかし、選考委員会の構成メンバー(5名)を見ると保育園を運営するノウハウは持っていても、建築の設計施工の専門家ではない。
この様な選考委員会では、ノーベル物理学賞の候補者を一般市民に選考させるようなもので適正な評価を下せるはずがない。
(4)工事期間が短すぎる
本体建設工事期間は5か月間である。僅か5か月間では地盤造成から完了検査まで終えるには期間が短すぎる。一般住宅でも不可能ではないか。応募が少なかった理由とされた。
4・総評
海老名市では全国的課題になっている待機児童解消政策を推進する立場で市内の保育園再配置計画を進めている。しかし、その中長期計画は無視され、場当たり的、思い付きで進められている。(詳細はここ)
今回の建て替え事業になぜ業者の応募が少ないのか建設会社数社に尋ねたところ、①工期5か月では無理なこと、②設計施工一括発注方式の2点を上げていた。
事業規模2億8千万円の180坪の園舎を作るのに競争性のない契約形式をあえて選択する必然性がどこにあるのか疑問である。海老名市は西口開発など近年随意契約を乱発している。無計画な出費(衝動買い)は高くつく。
市長は市民から預かった貴重な税金を無駄なく執行しなくてはならない。もっと税金を大切に使ってもらいたい。
議会中継ビデオ
@保健福祉部長より「議題の趣旨説明」
A山口良樹より質疑
本会議後に開かれた文教社会常任委員会のビデオ中継はありません。
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