H30/05/14
海老名市指定管理者制度の第三者評価
海老名市立中央図書館がリニューアルオープンして2年半が経過 (ただし指定管理者制度は平成26年4月にスタートし、すでに4年を経過)しました。指定管理者に運営を委任して初めて第三者評価を行った結果がまとまりました。
ここに、第三者評価の概要、第三者評価報告書(中央図書館・有馬図書館のみ)、及び第三者評価に対する神奈川新聞『海老名「ツタヤ図書館」第三者評価』の記事を紹介します。
1.平成29年度指定管理者第三者評価報告書
(1) 第三者評価の概要
中央図書館・有馬図書館のほかに市民活動センター、文化会館、運動公園を含む第三者評価の概要を示します。(pdf, 334KB)
(2) 海老名市立中央図書館、有馬図書館の第三者評価報告書
89ページからなる報告書です。ファイルが大きいのでWi-Fi接続にて利用してください。(pdfファイル, 15.44MB)
2.第三者評価に対する神奈川新聞記事
神奈川新聞『海老名「ツタヤ図書館」第三者評価』(平成30年4月16日)
「高い達成度」とあるのは違和感を覚えます。約11億円のリニューアル改造費をかけて、リニューアル前の2倍の管理費をかけているわけですから、リニューアル前との比較では評価が高くなるのは当然です。達成度はリニューアル前を基準にするのではなく、理想とする図書館の姿、あるいは優れた市立図書館
(例えば大和市立図書館「シリウス」)と比較して達成度を比較すべきです。目標を下げれば当然達成度は高くなります。
3.図書館独自調査による満足度調査
平成29年10月〜11月に独自調査による「図書間満足度調査」を行いました。満足度調査結果と指定管理に関する教育委員会議事を紹介します。
海老名市立図書館満足度調査結果
海老名市教育委員会1月定例会会議資料(図書館指定管理継続についての審議)
(6/01タイトル名変更)
注目すべきは、中央図書館の「総合満足度」が1年前(平成28年秋)の82%から今回(平成29年秋)は69%まで大幅に下がりました。不満足の原因は後述する個別満足度の分析で分かります。
また、中央図書館については、下図に示すとおり、(市外を含む)全体よりも、海老名市民の不満が大きいことに注目すべきです。
(注: 有馬図書館は海老名市民と全体との差はない)
中央図書館のどこに不満を持っているかは、「市立図書館満足度調査」の<結果:個別満足度(中央)>*を分析すれば分かります。*対象は海老名市民を含む全体です。
<結果:個別満足度(中央)> (一部を表示)
不満足の上位は以下のとおり (満足度でソートした上図と順位が異なります)
ワースト1(24.6%) 座席・閲覧席の数
ワースト2(14.2%) 本棚からの資料の探しやすさ
ワースト3(12.3%) 図書の分類方法
となります。
満足度調査のまとめ
海老名市教育委員会資料は、現在の市立図書館の指定管理者に自画自賛のトーンでまとめられていますが、今後は不満足ポイントに注目して改善を図る必要があります。何も手を打たずに満足度が上昇するとはとても思えません。
4.教育委員会3月定例会で第三者評価結果報告
3月に開催された教育委員会定例会では、第三者評価結果について委員へ報告がありました。
教育委員会3月定例会会議資料(図書館指定管理第三者評価結果報告)
5.第三者評価に関する総評
今回の第三者評価は外部機関が実施したものです。指定管理者による自己評価を参考に、書類確認、現地確認、ヒアリングにて実施されたもので、指定管理者に都合の悪い事件は当然話に出ないはずで、評価が偏っていると言わざるを得ません。
過去にあった選書問題、ホームページ著作権問題、図書館ホームページ所有権問題など一切触れられていないし、公共の市立図書館としてこのままでいいのか疑問が残ります。
6/01: 上記4項及び5項を追加
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